お兄ちゃんが落ちたプレゼントを拾い集め、ベッドサイドに置くと、


「これ、あいつから?」


まだ不機嫌な様子だったけれど、小さく頷いて、


「うん、お兄ちゃんよりはセンスいいよ」


なんて、可愛げなく言った。


お兄ちゃんはちょっと悔しそうな顔をしたけれど、


「俺も亜子ちゃん達の気持ちと同じだ。バレーによって受けた心の傷はバレーで治していくしかない。

この2年、俺が悩み苦しんで出した結論だ」


バレーで受けた心の傷はバレーで治せ、か…


お兄ちゃんはそうやって乗り越えてきたんだね。


「この調子だと、明後日には退院できそうね。まずは早く元気になることよ。

一時はどうなるかと思ったけれど、慶介が役に立ってくれて良かったわ」


ニヤリと笑う美鶴代先生に、頬が熱くなる。



.