「ば、バカなこと言ってんじゃねぇよ!普通、親はそれを阻止するんじゃねぇの?」


耳まで真っ赤にして怒鳴るケイくんが不謹慎にも可愛いと思ってしまった私。


そんなケイくんに、ケイくんの両親はぶはっ!と噴き出して、


「ははっ、冗談だよ。あと少しで消灯になるから帰る時には事務長室に寄りなさい」


ケイくんのお父さんがそう言うと、


「だったら邪魔するな!!!!」


ふたりを病室から押し出すと、嵐が過ぎ去った後のように、病室の中がしんと静まり返った。


「疲れただろ?ベッドに入った方がいい。ご希望とあればお姫様抱っこ、する?」


ニヤリと笑うケイくんに、


「いえいえ、謹んで辞退させていただきます!」


言うより早くベッドに潜り込んだ。


「そんなソッコーで拒否らなくても…冗談で言ったのに。

クイック攻撃はバレーだけにして……」


苦笑するケイくんだけど、冗談とは思えなかった……。



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