「わたしと亜子先輩だけじゃないですよ。バレー部のみんなが先輩のことを待っているんですから。

そうだ!西城だって全国大会出場ですよ。一緒に行きたいですよね?幸坂さん」


千尋も伝染したように黒い笑みを浮かべ、ケイくんを見た。


ちょっと、千尋!!!!


何てことを聞くのよ……。


「あ、いいわねそれ!修学旅行みたいで楽しそう」


あぁ、千鶴さんまで乗っかってきた……。


「ということで、ふたりで相談してくださいね~!今度こそふたりきりにしてあげますから。

はい、千尋とお姉さん、帰りますよ」


亜子に促され、両親と亜子達は上機嫌で病室を後にした。


「ナナさん、ひとりで大丈夫?今夜心細かったら慶介に付き添ってもらう?」


ケイくんのお母さんの衝撃的な言葉に、


えっ……


えぇぇっ!!!?


付き添い!!!?


心拍が急激に上がり、顔に熱が集中する。



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