「さっき謝ったからいいのよ。責任は慶介が取ってくれるから、そうよね?慶介」


千鶴さんはしれっとした顔でそう言ってのけると、ケイくんは千鶴さんをジロリと睨んで、


「お前、反省の色なんて全くないよな?今度ナナちゃんに何かしたら俺が許さないから覚悟しておけよ!

言っとくけど、責任なんかじゃねぇよ、好きだから彼女にするに決まってんだろ?」


そう言って見せた彼のドヤ顔に、心臓がバクンッ!と跳ね上がった。


「キャー!そんなこと言われてみたい!!!!」


亜子と千尋から悲鳴が上がった。


「ナナの彼がこんなにイケメンくんだなんて……今度から私がハッピーの散歩に行こうかしら。ねぇ、お父さん」


ケイくんを見て頬を染めるお母さんに、お父さんは苦笑して、


「ハッピーの散歩は母さんのダイエットには最適だが、幸坂くんにも選ぶ権利があると思うぞ」


なんて、厳しいひとことをお見舞いした。


お母さんはムッとした顔になって、


「そんなこと言う人には明日のお弁当は作ってあげないから」


バッサリ切り返され、お父さんの慌てた様子ににみんなで声を上げて笑った。



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