それだけ、って……?


ケイくんはフッと息を吐くと、


「もうそんなこととっくに知ってたけど?アドレス交換した時に生年月日載ってたし……」


呆れた様子で言った。


「あ……」


そうだった。


携帯を買った時に嬉しくて色々情報入力をしたような記憶が……


「他にも『コーヒーよりも紅茶が好き』で、『段々になったお皿に盛られたサンドイッチとスイーツを美味しい紅茶と一緒に味わいたい』って書いてあった」


いやぁぁぁ!!!!


そんなこと書いていたの?わたし……。


それって、アフタヌーンティーのことでしょ?


当時はそういう言葉すら知らなかったんだ。


わたしのバカ……。


今、ここに穴があったらすぐにでも飛び込みたくなるくらい恥ずかしい……。


ううん、今そんなことはどうでもいい。


わかってるの?『それだけ』でどれほどわたしが悩んだのかを……



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