昇降口には人が俺ともう一人しか居なくて、帰ろうとした時にその人が転けて。
助け起こすと黒美だった。
「わわ、ありがとう!」
ふにゃっで笑ったんだ。
嬉しかった、その時は。
保健室で沈黙の中手当てをして、帰ろうとしたら雪で帰る電車が使え無くて送ってもらった。
車の中で話をしてると意気統合して、仲良くなった。
車の中では
「え?黒美さん、彼氏居たんですか?」
って言われて彼女は違うよって普通に答えて。
その時に(あぁ、僕はただの知り合いでしかないんだ)と思って胸が痛んだ。
それでも、彼女は。
由美やたくさんの人に愛されているんだ、と思って。
それなら、友達でもいいかなって。