カチッ
「写ってる、OK。」
「わわっ、よかったー!アドリブきついーー!!」
由美が言うとクスクス笑って言った黒美。
「え?」
百合が意味を理解していないのだろう。
彼女だけでなく、莉音と黒美、由美以外の全員。
由美が笑って言う。
「私が黒美を叩く真似したときの姫の顔醜いわ~、」
莉音も苦笑いしながら言う。
「俺があんな奴に騙されたとか……何か嫌だ~、」
話に着いていけない彼女は黒美に聞く。
「ねぇ、どう言う・・・?」
「ん~と、さっきのは由美が騙されたふりして姫さんが笑ってる証拠を録ったの!」
クラスの皆がわかったような顔をして席についていく。
データを抜いたのか由美は笑ってSDカードをケースに入れてポーチに入れた。
黒美は学校カバンをそのままロッカーに直しもうひとつ持って来ているトートバッグを机の横にかけている。
いつも皆謎に思う。
「黒美、そのカバン何が入ってんの。」
そう、彼女のカバンはいつも綺麗で新品なのだ。
由美も黒美が開けたところは見たことがない、それにカバンは鍵付き。