軽く引っ張ってるだけなのに。
優し過ぎるよ、黒美。
はぁ、もう。
黒美と由美との、思い出が消えた、か。
溜め息を付くと。
前を走っていた黒美が止まる。
そして。
「百合ちゃん~!溜め息着いちゃだめ!幸せが逃げるよ!」
ニコリ、と笑って続ける。
「思い出とか、まだ作れるんだよ!それにいつかは思い出すよ!」
黒美・・・、
「・・・ごめんね。」
謝るとほっぺたを膨らませる黒美。
・・・私、何か言ったかな?
「百合ちゃん!私謝られたく無いよ。」
・・・あ。
「黒美、ありがとうッ!!」
ふわって笑ってうん!って言った黒美は私の病室へ行く。
記憶、いつ戻るのかな。
何故か恐怖感がある。
何故なのか、解らない。
だけど・・・。