百合side




「・・・、・・・ぁ・・さ・・さん!!」



「大丈夫?」



「百合ちゃん・・・。」


何て呼ばれてふと自分がボーッてしているのに気付く。


だっていつもと変わらない。



なーんにも変わっていない。



変わったことも何も解らない。


解らないこともなにもない。


なら、何で。


私に向かって、



「貴方は記憶喪失です。」



何て言うの!?



私は記憶はちゃんと残ってるよ!!



私が、黒美と由美との記憶の一部を、なくした、の!?



「百合ちゃん、行こう?」


なんて言うと黒美は軽く私の手を引っ張っていく。



・・・逆らえない、なぁ。