もし、もしこんなのでも渡すとするなら、できるだけ人目のない場所で。

…そう、自転車置き場とか。


友達と昇降口で別れ、自転車置き場に向かっていく翔太。

思わず咲の方を振り向くと、咲はにっこり笑った。

『やっぱり、今しかないんじゃない?』

そんな風に言われた気がした。