「…俺、先に行っとくわ」


「あ、うん!わかった〜」

一言私にそう告げて潤は先に行った。


潤が行って少し経った位から教室に向かって歩き始めた。


「ななみ、今日も潤君と学校に来たの?」
「?そうだけど…?」



ゆき…ニヤニヤしないで。
せっかくのお顔が歪んじゃってる。


「仲が良くて、逆に羨ましいわ」
「なんで?」
「だって、学校じゃ知らない人はいないって位潤君かっこよくて有名でしょ?
でも、潤君どこか近寄りがたい雰囲気出してるじゃん?
だから、ななみみたいに、いとも簡単に近寄って行ける事が羨ましいのよ」




…う〜ん。


「でも、あれは私と潤が幼なじみだから簡単に近づいて行ってるってだけで…」


そう。あれは私と潤がただの幼なじみであるからな訳で……。






「…理由はそれだけじゃないと思うんだけどね~」


「えっ?」


「なんとなくなんだけど、潤君、ななみにだけ特別に…って感じがするんだけどなぁ~」




……え?私だけ特別?



「ないない!大体なんで私だけ…」

すると、いきなりゆきがこっちを向いてニコッと笑った。




「ななみ、それはきっとそのうち分かるよ」