…………………………は?




なんて?



ヒロの言葉を頭の中でもう一度リピートする




『俺が…凛のこと好きだから』





ヒロが…私を、好き?




「……マジで?」



「マジで」



ふにゃっと悲しげに笑うヒロ




告白なんて何回もされて来たのに、なぜか心臓がドキドキした




でも、優の時とは違うドキドキ




「でも…私っ「分かってる」




へ?





「分かってる。
俺に望みが無いことくらい。


でも絶対、諦めないから」




真剣な瞳で見つめられ、私は動けなくなった



俺に、望みが無い?



なんの望みだ?



「……そっか」




聞きたかったけど、なぜか私の口からはそれしか発せなかった



「凛、俺が凛のこと好きだって覚えててね?」




少し悪戯っぽく聞くヒロ



「お…おう」



私はまだ思考回路がうまく回っていなくて気の抜けた返事しか出来なかった




「じゃあ最後にちょっとだけ」



ん?



「わっ」


私は考える暇もなく、気づけばヒロの腕の中にいた



「ヒ、ヒロ!?」



「んー?」


上から呑気な声が聞こえる



数センチだけだけど、ヒロの方が背が高いのでスッポリと腕の中に収まる私



「ヒロ、離してっ」



「ごめん、もう少しだけ」



そう言ったヒロの声が心なしか震えていた気がしたから



私は抵抗するのをやめて、大人しくヒロの腕の中にいた



「凛…」



ヒロが私の耳元でそう囁いた


私はくすぐったくて「ひゃっ」と変な声を上げてしまった





「何してんの?」




…へ?



突然背後から聞こえた低くて少しかすれた声



そっちに顔を向けたくてもがっちりヒロに抱きしめられていて、向けなかった



でもその声が誰なのか、ヒロの一声で分かった



「高野…」




優だって