「あ、凛、起きてたー!
次リレーだって!」


少し離れたところから美里と歩いてくる萌




てかもうリレーかよ


騎馬戦からずっとキズ痛いんだけど…



「おう、分かった」



私はよいしょっと立ち上がり、リレーの集合場所へ向かった



「凛ちゃん、頑張ってね!」



「おう」



そう声をかけてくれた美里に短く返し、また前を向いて歩き出した



あー、くそ


……いてぇ



もうここまできたら、引き返せねぇよな




私ははぁとため息をつき、1年生のリレーメンバーがいるところに並んだ



「あ、凛!怪我は大丈夫なの?」


前に立っていたヒロに話しかけられた



ヒロの怪我はもうすでに治ったみたいで、今はもう痛くないらしい



「まぁ、だいじょぶ」


「そっか。無理しないでね?」


「おう」



無理、してるけどな



そんなことを口が裂けても言えないな



私はまたはぁとため息をついた



「それじゃリレーに出場する皆さん、スタートラインに移動して下さい」



係員の人に言われ、私たちはゾロゾロとスタートラインに移動する



スタートライン付近は人でごった返していた


「きゃー!凛様頑張ってー!」


「無理しないでくださいねー!」


そう、私の応援団


ほんとありがた迷惑だよ



「おい凛、無理すんなよ」



「へ?…うん」



後ろに立っていた優に、ヒロと全く同じ言葉を言われる