「…まの…ん!天野…さ…!あま…凛さん!」
ん…?
ゆさゆさと乱暴に身体を揺すられ目がさめる
ふわぁと伸びをしてから、声がした方を見ると、あの日のチャラ男たちとひよわ男子がいた
「リュウにガクにセイヤにレンにケイ
それとひ弱男子じゃん。
なに?私になんかよう?」
「はい!あの、俺たち、ちゃんと笹井くんに金返しました!
七万くらい!」
「おー、えらいえらい」
二万余計に払ったんだ
チャラ男にしては真面目だな
って、ひ弱男子の名前、笹井なのね
「それで俺たち、友達になったんです!
今ではもう親友っすよ」
そう言ってひ弱男子の肩を抱く
ひ弱男子はへへへと笑った
「ひ弱男子、こいつらのこと許すの?」
「はい。
今までのこと、何回も頭下げて謝ってくれたし、お金も返してくれたし。
リュウくんたち、本当は優しい人なんだなって思ったんで」
なにこいつ、心広すぎんだろ
「ふーん、そっか
よかったな、仲良くなれて」
そう言って私はふっと微笑む
「はい!
全部天野凛さんのおかげっす!
マジ感謝してます!」
いやいや
そんな感謝されることしてねぇし
「じゃ、チャラ男とひ弱男子とその他諸々。
これから仲良くやんだよ。
喧嘩でもしたら承知しないんだからね」
「分かってますよ!
喧嘩なんて、しません!
そいじゃ俺ら行きますね!」
やけに元気だなー、チャラ男
「おう、じゃーな」
「さようなら」と口々に行って、離れた応援席に戻っていった
少しその様子を眺めていたら、みんなして笑いあったりして楽しそうだった
「よかったな、ひ弱男子」
と、私は小さく呟いた