「ちゃんと返さなかったら…覚悟しとけよ?」



「も、もちろんです!」



「あ、お前らの名前教えろ」



顔は大体覚えた



あと名前覚えればすぐ先生にチクって退学にできんだろ



「リュウっす」

「ガクです」

「セイヤです」

「レンっす」

「ケイです」




「わかった」



リュウにガクにセイヤ、レン、ケイね



「じゃ、もう帰れ

あ、あともう一つ。
もう一度こんなことしたら、ただじゃおかないかんね?」



私は睨みを効かせていった



「わ、わかってますよ!じゃ!」


チャラ男たちはそう言って去っていった



ふぅ、これで一件落着?



「おい、立てるか?」



私はまだ座り込んでいるひ弱男子に手を差し出す



「あ、はい…」



ひ弱男子は私の手を掴みヨロヨロと立ち上がった



「あの、さっきはありがとうございました」



「あんなのどーってことねぇよ。
じゃ、私はこれで」



理科室の掃除、中途半端にしてきちゃったからな




「あ、さっきは本当にありがとうございました!」


後ろから聞こえた声に手だけを上げた



てか……まじで足がいてぇ…


走んなきゃよかったかも



「「あ」」



玄関に入ったら、さっきのチャラ男たちと鉢合わせした



鞄を持っている様子から、今から帰んのか?



「あ、天野凛さん!
さ、さっきはすみませんでした!」



ガバッと頭を下げるチャラ男



「うーん、チャラ男たち。

怪我をしている私を走らせた罰として、今から理科室を掃除しなさい」



これは利用するしかないだろ



「「「「「はいっ!」」」」」



チャラ男たちは一斉に返事をして理科室へ走っていった



なんだ、役に立つじゃん



私は教室へ鞄を取りに行って、もう帰ることにした




……なんか今日は色々と疲れたな



私はズキズキと痛む足を引きずって、家へ帰った