「おい!」


やっとの事で男子達のところへたどり着いた時、チャラ男がひ弱男子を殴りかかる寸前だった



「…あぁ?」


私の声に気づき、チャラ男と他のやつらが振り向く



「お前ら、何してんだよ」



1対5って卑怯なんじゃねぇの?




「あぁん?
オメェには関係ねぇよ!

女は引っ込んでろ!」



「っ、ちょ、ちょっと待ってリュウさん!
この人、ウワサの凛萌の、天野凛です!」


チャラ男の取り巻きの一人がそういう



チャラ男、リュウって名前なのか



「あ?天野凛?
って、あの天野凛か!」


ひ弱男子の胸ぐらを掴んでいた手を離し、驚いた表情をして私をガン見するチャラ男


「…んなに見んな、腐る」



「あ、悪りぃ!」


突然態度が変わるチャラ男



なんなんだコイツ



「…で、お前ら何してたわけ?」



少し睨みながら聞く



「あ、えと、こ、コイツが金くれるって言ってたんですよ」


そう言ってヘナヘナと座り込んだひ弱男子を指差す




「は?じゃなんで殴ろうとしてたわけ?」




「っ、そ、それは…」



「てかお前らの会話、聞いてたし。

どうせ、カツアゲしてたんだろ。」




キッと睨みながら言う


「ひぃぃっ、す、すみませんでしたぁ!」



「謝んなら、今までこのひ弱男子から取り上げた金、こいつに返せよ」




「で、でも金は全部使っちまったんですよ…」



焦ったように言うチャラ男



「じゃあ働けばいいだろ。」




「は、はいぃっ」



「おいひ弱男子、お前こいつらからいくら取られたんだ?」



私はひ弱男子に視線を移し、そう聞く




「あ…え、えっと…五万…くらいです」



はぁ?五万もかよ



「それじゃお前ら、働いてこいつに五万ちゃんと返すんだぞ」



「は、はいっ」



チャラ男とその取り巻きは冷や汗をかきながら返事をする