「うわ…なんだあれ」
校門は人で埋め尽くされていた
「人…かな」
少しその光景に引き気味で答える美里
それは分かるんだよ
確かにあれは人だ
「…入れねーじゃん」
「だね…」
あの群れは何をやっているんだ
はぁとため息をつきながら校門の前まで歩く
「あのー!通して!」
みんなに聞こえるように大声で言う
バッとみんなが一斉に振り向いた
「あー!いたー!」
「凛様ー!怪我は大丈夫ですかー!?」
「凛様、絆創膏どうぞ!」
は?
「何してるわけ?」
「あ、昨日凛様が大怪我をしたって聞いて…みんなで凛様を待っていたんです。
それで、この絆創膏、使ってくださいっ」
近くにいた女子が答えた
私を待ってた?
ありがた迷惑だよ、まったく
「あー、悪いけど絆創膏で済むほど怪我ちっちゃくないんだよね
だから、いらないわ」
「えぇ!?大丈夫なんですか!?」
「大丈夫じゃないけど絆創膏はいらない。
もう教室行きたいから通して?
ほら、みんなの邪魔になってる」
私がそう言うと、ズザザザザッと道ができた
「ん、どーも
心配してくれたのは嬉しかったよ」
私はそう言ってスタスタと玄関へ向かった
「きゃー!カッコいい〜!」
「今日もクールだった〜!」
「包帯似合いすぎ!」
「やべー、凛ちゃん、好きだわ!」
あー、まじうっせー
なんでいっもつきまとうんだよ
「美里、ごめんな?
私のせいで嫌な思いさせて」
後ろからひょこひょことついてきた美里に言う
「ううん、だいじょぶだよっ
凛ちゃん人気者だもん、しょうがないよ!」
ニコッと笑う美里
お前も、人気者だけどな
私はそう思いながらも教室へ向かった