「ただいま〜…」



学校から歩くこと40分


いつもなら20分もしないのに



…やっと、家に着いた



ふと、玄関を見ると、天野家では見慣れない靴があった



「お、凛、おっかえり〜!
って、どうしたんだよ、それ!」


「おかえり〜!って、なにがあった!?」



靴を脱いでリビングに入ると、双子の兄に騒がれる


「あら凛おかえりなさい
って、ミイラになっちゃってどうしたの!?」



いやいやお母さん…


包帯巻いてるの、両足と右腕だけだからね?


「あら凛ちゃん、おかえりなさい」



「あ、まなちゃん!」


あの見慣れない靴はまなちゃんのだったのか



「で、どうしたんだよ、その傷」


ずいっと颯樹に詰め寄られる


「あー、これは転けただけ」



「転けたぁ!?
って、そういえばクラスの奴らがウワサの凛萌が大怪我したって騒いでたな…」



知樹のクラスでも騒がれてんのかよ…



「凛ちゃん、大丈夫なの?」


心配そうに見つめるまなちゃん



「だいじょぶだいじょぶ!
もうこんなの慣れたし」



小さい頃双子の兄と河原とかでよく遊んでいて

派手に転んだ記憶がある



まぁ、それだけじゃないけど




「大変だったわねぇ

ま、とりあえず着替えて来なさい
恋の香り出してあげるから!?」



「まじ!?じゃ、行ってくる!」



私は急いで…って言っても急げないけど…部屋に行き、部屋着に着替えた



包帯の上から少し服が当たっただけでズキッと痛む


あーあ



体育祭までには治っかなぁ…?