「……ん!…り…ん! 凛!」
ん…?
誰かに肩を乱暴に揺らされ起き上がる
「ん…?萌?」
「んもぅ、いつまで寝てる気よ!
ほら、帰るわよ!」
え、帰るって…
はぁ!?
時計はもう16:00を示していた
教室にいるのは私と萌だけ
「練習終わってこっちきたら寝てるし
HRやってるときも寝てるし……
あんたはいくら寝たら気がすむの!?」
そんなに寝てたのか
てか
「起こしてくれたっていいだろ!」
「だって、美里が『気持ちよさそうに寝てるからそっとしとこう』って言ったから」
ふーん美里が
なら許す
「てか美里は?」
「今日は用事があるからって先に帰った」
「そ」
私はうーっと伸びをして、帰る支度をした
「あ…このまま帰っていいかな?」
そう言ってきていた長袖の運動着をつまむ
幸い汚れたのは半ズボンだけで、半ズボンは替えがあったのでそっちに着替えてあった
「あ、さっき高橋が言ってたけど、凛は特別そのままでいいって」
高橋…ってのはクソ教師のことか
「じゃ、帰っか〜…」
よいしょとたちあがる
「あんた、一人であるけんの?」
「頑張れば」
「じゃ、がんばんな」
そう言って萌はスタスタと先に行ってしまった
「あ、おい!
今まで待っててくれたんなら待ってろよ!」
「頑張れ〜」
萌は顔だけ後ろを向かせてヒラヒラと手を振る
くっそー!
私は仕方なく玄関までの道のりをチビチビと歩いた