「えぇ、凛様、そのお怪我は!?」


「きゃー!なんで包帯巻いてるの!?」


「凛ちゃん、大丈夫!?」



騎馬戦組みの人達に見つかるなり耳が壊れそうなほどの声で女子どもが騒ぎ出した



「凛ちゃんが!だいじょぶよ、凛ちゃーん!」


「うおー!包帯してんのもなんかかっけー!」

「やべー惚れ直した」


……女子だけじゃなく男子も騒ぎ出した




「あー…やっぱリレーんとこ行くわ」


私は苦笑いを浮かべながらそそくさとその場を去った



「あ、凛!」

「凛ちゃん!」



後ろから2人の呼ぶ声が聞こえたきがするけど周りの騒音によってかき消された




少し急ぎすぎたせいか、傷が痛み始めた



あー、早く歩きすぎた


私は近くの壁に寄っ掛かり、リレーの練習をしているところを見た


今はバトンパスの練習をしてるみたいだ


みんな真剣な表情で先生の話を聞いている



その中に、ヒロの姿を見つけた



良かった、走れるのか



そんな光景を見ているうちに、痛みも引いてきた


さ、リレーんトコに行くかー



キーンコーンカーンコーン……



げ。



終わりかよ



「ありがとうこざいましたー!」


とあちらこちらで聞こえてくる



結局リレーの練習はほとんどできなかった



ま、いっか


私は1人でゆっくり玄関へ向かい、靴を履き替え教室に戻った