「面倒だったら、外食でもいいぞ?どっか行くか?」

 何だよ、僕。

「えっ、昼間からいいよー」

 何だよ、君。

「すぐ作るから、おとなしく待ってて下さい」

 何だよ、君……

「……ハイ」

 何だよ、僕……



 彼女は彼女の小さなキッチンに篭り、僕のために明太子のパスタを作り始めた。


 複雑な気持ちのままで、独りリビングに取り残された僕は、彼女のまだ途中やりのパッチワークキルトを広げる。


 色も形も違うバラバラのピースが、彼女によって縫い繋がれ、一つの模様を作り出し、昨日よりも確実に大きくなっていた。


 彼女が言う通り、それは確かに、未来に似ていた。



 僕たちの、未来か――……






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