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「こないだ見かけた時から
忘れられなくて、会いに来ちゃった
迷惑だったかな...?」

不安そうな表情を伺わせていながらも
頬はほんのりと紅潮させ
恥ずかしさを紛らわすように頭をいて
目の前に立つ男性は線の細い華奢な
身体つきでスラっとした、顔立ちの
整った人だった。
そしてそれは大好きな
アイドルグループの

" カ ミ オ ケ イ タ "

あたしに向けられた言葉に彼以上に
両頬が熱くなっていた。
舞い上がりそうな気持ちを抑えて
頷くと震える唇を開き________


ピピピピ、ピピピピ‼︎

突然鳴り響く周期的な音で
声がかき消されると彼も景色も消えて
段々覚醒される意識で
夢だったんだと悟る。

夢だとわかっていても思い返すと
にやけてしまう
もう一度会いたくて
ゆっくり目を綴じると
目覚まし時計よりずっと大きな声で
あたしの名前を呼ぶ、彼

...じゃなくてママ。

階段を登って近づいてくる気配を
感じると反射的に布団を被って、
ベットに潜り思わず溜息。
同時にほんの少し恐怖心を感じて
身構えていると
数秒後荒く部屋の扉が開かれて
耳が悪いんじゃないかってほど大声で
怒鳴りつけられる
「ももかぁ‼︎起きなさい、
学校へ行きなさい、ももか‼︎‼︎」

朝から不機嫌そうな声に
こっちまでイライラしてきて
対抗するように声を荒げて