いわゆる転生というやつか…。異世界への。
なんかRPGみたいな世界だな。景色良すぎだし、すげぇな。
俺の家は、まだ親から特にそんな話は聞かされないが

父親らしきあの男は間違いなく女好きだ。

我が家の美人メイドを母のいないところで1人残らず口説いているのを俺は知っている。

それにメイドや執事の人数といい
屋敷の馬鹿デカさといい
           どうやら我が家は金持ちらしい。



   しかしまた、30にもなってなんてことになってんだか。
    俺、2歳。子供。DT。ニート。親のすねかじり。
        いまのところ年齢以外変わってねーな。

溢れ出てくる前世の記憶という記憶をみつめ、俺はそんな事を考えていた。
そんな俺につけられた名前は「アラン・アーモンド」であった。

アーモンドなんだ。うん。美味しそうだろ?もうスイーツ系男子デビューしちゃう。30で。

それにしても、前世よりは顔面がマシになったきがする。
俺はベッドに座ってぷにぷにのおててをL字にして顎にあて、向かいの鏡に得意顔でウインクした。

「やっぱ俺、結構将来有望だよな。この顔は絶対イケメンになるわー。いやー、学校とか行って巨乳美女に告られたらどーしよwいまのうちに返事かんがえとかなきゃなデュフwwwwデュフフww」

その時俺は、部屋の入り口に人影があることに気付いた。
ハッとして見上げると、20歳くらいの新米執事が明らかに混乱した様子でもう困り果てて泣きそうになるほどに追いつめられていた。

「あれ、みられちゃった。」

次の瞬間、この執事は前向きに失神した。ぎりぎり足の先まで俺の部屋にはいっていたので、俺はとりあえずドアを耳かきで天才的に閉じた。