「加々尾くん……どうして、あたしのチョコレートは受け取ってくれたの……?」



気づけば口から、そんな言葉が零れていた。


今更ハッと気づくけど、言ってしまったものはもう遅い。



唾を飲み込んで意を決心し、強気な目で加々尾くんと目を合わせた。



目を合わせて気づく。


加々尾くんの目はいつもの気怠そうな目だけじゃなかった。


気怠そうな雰囲気の中、少しだけ嬉しそうな甘い雰囲気。



証拠に、加々尾くんの頬が少しだけ赤い。


夕日とは関係無しに。



「……あたしは、加々尾くんが好きだよ。」



人生初の告白。


そして多分、人生最後の告白となる。


こんな恥ずかしいこと、二度とできる気がしない。