加々尾くんは、どうかな……。



なんて、自分が思うより不安な目で加々尾くんを見てしまった。



加々尾くんはいつもの加々尾くんとは思えないぐらい、優しく微笑んでくれて。


詰められた内の一つのガトーショコラを口に放った。



「……なんだよ、美味いじゃん。」



お世辞でも嘘でもない。


本当に美味しそうに、加々尾くんはあたしの目の前で全てのガトーショコラを食べた。


最後のソレを口に入れて、軽く噛み砕く。



あたしは加々尾くんの片方の手で手を引かれ、通学路を歩き出した。



夕日があたし達を照らす。


加々尾くんの横顔はいつも通り、少し気怠そうな感じ。



だから少しだけ不安になる。