加々尾くんの笑顔と比例するように、高鳴るあたしの心臓。



ドキドキが止まらなくて、息が出来ないぐらい苦しくて。


歓喜で手が震えそうになって。



「か、加々尾くん……。」



ギュッと……、


加々尾くんの手を握った。



「……百瀬。」



初めて触る加々尾くんの手は思ったより骨張ってて、


思ったより体温も暖かくて。



……あぁ、何だか、夢でも見てる気分。



「好き……。」



想いが溢れて、零れ落ちて。



頬が熱くなるのを感じながら、あたしはソッと鞄から取り出したチョコレートを差し出した。



生まれて十三年間。


初めての手作り。


加々尾くんの好みに合わせて作ったガトーショコラ。