今日は良いこと無かったなー……。
せっかくのバレンタインなのに、加々尾くんにガトーショコラも渡せなかったし。
逆に加々尾くんが他の子からチョコレートを受け取る場面しか見てないよ!
溜息をつきながら、校門までの距離をとぼとぼ歩く。
風が冷たくて、マフラーだけじゃ全然寒かった。
「……おせえ。」
校門を通り越した時、そう声をかけられる。
「え……?」
振り返れば、校門にもたれ掛かっている加々尾くんがいた。
え、嘘……どうして……?
もう、帰っちゃったんじゃないの?
あ、それとも他に誰か待ってるのかな……。
「加々尾くん……。」