もう諦めよう……。
ガトーショコラだって、他の子からのチョコレートを受け取らなかった加々尾くんが、あたしの手作りを受け取るわけがない。
「じゃあこれで終わりー。みんな、時間取って悪かったねー。」
気づけば話し合いも終わっていて。
時刻はホームルームが終わってから一時間も経っていた。
「百瀬さん、先帰るけど平気?」
「うん。平気だよ。」
「そう。じゃ、また明日。」
「ばいばーい。」
空は茜空。
カラスの鳴き声が聞こえる。
さっきの会話通り、同じ委員会の男子は先に帰っちゃった。
他のクラスにも仲の良い子なんていないから、帰りは一人ぼっち。