正に相思相愛って感じの二人で、あたしも二人みたいな関係に、加々尾くんとなりたいな。
何気なくポケットに手を入れた時、指先に当たった何か。
ポケットから取り出してみれば……。
「あ、これ、逞くんにあげるよ。」
「何なに? チョコレートじゃん、いいの?」
「いいよー。」
ポケットに入っていたチロロチョコレート。
確かそれ、この前学校のトイレで落としちゃったヤツなんだよね。
便器の中は免れたけど、トイレの地面に落ちちゃったチョコレートなんて食べる気しないし。
バレンタインだから逞くんにあげた。
何も知らない逞くんは上機嫌で、チョコレートを口に放る。
うんうん、味は同じチョコレートだもんね。