「えー?
だって敦陽は特定の子は作らないってことを、皆に知ってほしくて笑」
そう言って怪しげに笑う里沙とかいう女。
こいつ、正気か?
「──…あれ?
その様子じゃ分かってないみたいだね。
──だったら……」
そう言って俺の腕を引っ張って─────
チュッ
キスをした。
「───っ」
「……これで分かった?」
「きゃーっ!!」
「い…今見た!!?」
「キスしたよね!!」
「あっ…敦陽っ」
震えるクウの声。
い、今……
俺は何された……?
「クウちゃんどうするー?私、敦陽とキスしちゃったーっ♪」
「いっ…いやっ
やだやだ!! な…んでっ」
そう言ってクウは走っていった。
「くっ、クウ!!!」
追いかけようとした時。
────グイッ!!
「………っ」
「敦陽、行かないでよ」
無表情でいう悪魔。
うざい………
むかつく………
「俺に喋りかけんな」
そう言って俺は、
全速力で走り出し
クウを追いかけた。