「クウ!!」
ちょうど教室に入ろうとしてたクウを見つけた。
俺の声に気づいて振り返るクウ。
「敦陽?どうかしたの?」
「──しゃ、写真!」
そして俺は、
クウが右手で持っている写真を見つけた。
「───これ」
「里沙ちゃんがくれたの。敦陽はあんたのものじゃないって…
よく分かんないや!ハハ」
っくそ。
アイツ、
こんなのばらまいて何がしたいんだよ。
「でも私、敦陽を信じてるからね!
こんな写真、全然気にしてないよっ」
「そ…そうか」
それならいいんだけど。
「あ!敦陽ー♪
おはよーっ!!」
後ろから聞こえた声。
────聞いたことある。
「里沙ちゃん…」
クウの言葉で俺も振り向く。
そこには、
体育祭ン時に一緒に写真を撮ったアイツの姿────
「お前さー、そんなに写真ばらまいて、何が楽しいの?」
半ギレの────俺。