ボスッ



「!?」


誰かが俺にぶつかって、フラフラしながら後ずさりをした。






「あたたたた…」


頭を抑えるのは――女?


「あ、ゴメン。
大丈夫?ケガしてない?」



彼女の腕を掴んで、顔を伺おうとした時



「だだだ…大丈夫です!」


その子が顔を上げた。





「ふ―ん。なら良かった」



三つ編みにメガネって…おい、

完璧にがり勉じゃん。





「今度からは、気をつけろよ」

「は…はい」




アレ…こいつ、よく見ると……





「あ! ちょ!何するんですかあ!」




「あんた、メガネ外したほうが可愛いよ♪」

「はあ!!?」



メガネを外した彼女の顔は、レンズが無くなったせいなのか

さっきより瞳が大きく見える。



二重で大きい目――…





「早くメガネ返して!」

「へ?…ああ、おう…」



そう言って俺は、メガネを彼女に差し出した。