そうかな〜といいながら笑っているのは、
笹上 陽菜。

この子は小学5年生の時に初めて同じクラスになり、仲良くなった。

小6も中学校3年間もすべて同じクラスで、
何でも言い合える関係である。


「ねぇ、夏希ってば。聞いてる?」

夏希とは私のこと。
陽菜がぷくっと頬をふくらませている。


「ごめん。ぼーっとしてた。どうした?」

「あとちょっとで卒業だから寂しいねって言ってるの!」

「卒業かぁ〜」

しみじみと思いながら呟くと、陽菜が何かを思い出したように、

「そういえば〜、うちの学校ってさ毎年卒業間近になると、3年生の誰か1人は転校するらしいよ。」

「転校?」