亮くんの事を裕太に説明ようと思ったのに。


休憩時間のたびに亮くんが私の所に来るものだから、説明する暇がなかった。




「あ、あのっ……亮くんっ」


「……」


「ねぇ……亮くんっ……」



教室を出て、廊下をスタスタ歩く亮くんは無言のまま。



ねぇ、一体何を考えてるの?

何か……企んでるわけじゃないよね?



「……玲奈」


「っ……な、何?」


「あそこ、使ってない教室?」



いきなり立ち止まった亮くんが指差したのは使用されてない空き教室。



「う、うん……」


そう言った瞬間、腕を強く引っ張られ、空き教室に連れ込まれた。