「玲奈」


すぐに亮くんが私の元に来た。



「学校案内、よろしく」


「……莉亜っ!一緒に行こうよ」



亮くんと2人きりになるのは避けたくて、縋るように莉亜を誘った。


何かを察してくれたのか莉亜は「いいよ」と言ってくれた。


ホッとしたのも束の間。



「ごめんね、玲奈と2人きりがいいから」


「えっ……」



強引に手を引かれ、私は亮くんに教室から連れ出されてしまった。


教室を出る寸前、裕太と目が合った。

ほんの一瞬だったけど、すごく複雑そうな表情をしてるのが見えた。