大声で話す私達を周りの人はみんな、わざわざ足を止めてジッと見ていた。


みんな他人事だと思って、傍観してる。



「とにかく私、もうあんたの事なんか信じられないからっ!あんたなんかっ……いなくなってしまえばいいのよ!!!」


ハッと、我に返った時にはもう遅い。



いなくなって、はさすがに言い過ぎだ。

例え彼がどんなに最低な奴でも……。



「……そっか。結局、玲奈にとって俺は邪魔者なんだ。玲奈は……村田の方がいいんだね。あんな奴の方がいいんだ」


ブツブツブツブツと。
壊れた人形のように呟く彼に少々寒気がした。



「……玲奈に、そこまで嫌われたんじゃ……もう、俺……ここにいても意味ないじゃんか……」


独り言のように小さい声でしゃべりながら、彼は背を向けて行ってしまった。