次の日。 制服のポケットにカッターナイフを忍ばせて、家を出た。 いざとなったら、このカッターで……。 「玲奈」 家を出てすぐ、後ろから1番聞きたくない人の声が聞こえた。 聞こえないフリをして無視した。 スタスタと急ぎ足で歩いた。 「玲奈、待って……!」 「っ……」 彼は私の後を追いかけてくる。 私は走って逃げた。 必死に走ったのに……。 「止まって!!玲奈っ!!??」 無情にも、腕を掴まれてしまった。