「落ち着いた?」


「うん、ありがとう……ごめんね」


「謝るのは禁止だよ。玲奈ちゃんは、何も悪い事してないんだから」



私が泣き止むまで、村田くんはずっと抱きしめててくれた。




「何か、あったの?」


私の隣に座りながら、遠慮がちに聞いてきた。

何が……あったのか……。



「玲奈ちゃん……無理して話さなくていいよ……?」


さっきの事を思い出しただけて、体が震える。

優しい言葉をかけながら、村田くんは背中をさすってくれた。



「村田くん、急に呼び出して、本当にごめんね……。でも私、もう頼れる人が他にいなくて……亮くんにストーカーされてる事、お母さんには言えてなくて……亮くんの事を相談してた祐太も莉亜もっ……」


「……」



それからお互い無言になって、少し沈黙が流れた。