女の子の気持ちを考えたら、ちょっとしんみりしてしまって…




『なにしてんの?』



頭上から聞こえた無機質な声に、ハッとして目線を上げれば



「し、椎名くん!」


切れ長の二重の目に、長い睫毛。
女の子よりも綺麗なんじゃないかってくらいの肌に、高い鼻。


綺麗すぎる顔は鋭くて怖くみえる。



「盗み聞きなんて悪趣味だね。」



ビー玉のような瞳に吸い込まれそうになって、ハッと我に返った。



「ご、ごめんなさい!
盗み聞きするつもりなんてなくて、この教材空き教室に持ってって、先生に頼まれて、、えっと、、」