PM:10:00 品川プリンスホテル

ホテルの部屋から聞こえる、二人の声。

「結局あんたら、どこまで進んでんの?」

「どこまでって…?」

「半年以上付き合ってて、エッチ一回って事はないよねぇ~アハハッ☆☆」

当たり前に話す梨華。あたしは、梨華の言葉に唖然としていた。

「…一回やけど?」
「えっ!?嘘やんっ!?」
梨華は、ベッドから身を乗り出して驚いている。

「嘘ちゃうし、そんな驚かんでもえぇやん…」

あたしは、ぷぅっ…と膨れる。

「ごめんごめん。でもさ、絶対亮太は、欲求不満やわ!!」

梨華は頷きながら、言う。

「えー、何で?」

あたしは、意味が分からず聞く。

「だって、あいつ可愛い顔してド変態やんっ!!花火大会の時もやたらと自慢してきたし!!」

「はぁー!?嘘やんっ!?」

びっくりして、開いた口が塞がらない。

「本間やし!!だから、多分クラス皆、あんたらの初体験知ってるわ!!」

「マジでっ…!?」

何とも恥ずかしい話に、ますます開いた口が塞がらない。

「早く二回目ヤっちゃえば?」

軽く他人事に言う梨華。