「書いたで?」
雫は、涼しい顔で言った。
「お前って猫飼ってんの?」
「そうや。黒猫のトマトスプラッシュ三世という名前の猫や」
と、トマトスプラッシュ3世?
なんてセンスしてるんだろうか。
「そ、それより3世ってことは、1世と2世もいたの?」
「そや。1世は、交通事故で天国に、2世は逃げ出してもうたわ」
それって3世も逃げ出したってことじゃないだろうか・・・
「それは絶対ないわ!3世は特に可愛がってて、どこ行くのも一緒やったわ」
ん?
「どこに行くのも?」
「そうや。お風呂もご飯も寝る時も・・・」
「まさか・・・学校も?」
「そうや!学校も一緒や」
まさか、それって・・・
「授業中もか?」
「はあ?当たり前やろ」
「よく鳴かなかったな」
「そりゃあ、ちゃーんとしつけしとるからなあ」
うわ・・・
トマトスプラッシュ3世、お気の毒。