月曜日、普段通りに学校に着いた。

教室に向かう階段を上る。

1〜2階は、一年生のフロアで、3階が二年生のフロアだ。

中庭を挟んで、
向かい側の校舎が、
三年生のフロアになる。

二年生のフロアへ向かう階段で、
クラスメートのUさんが、
珍しく声をかけてきた。

「おはよう!
昨日、出かけていたでしょ?
T先輩と!」

「えっ!
なんで、知ってるの!?」

「やっぱり、
お兄ちゃんも、
T先輩と同い年だから、
家のマンションのベランダで、
外見ていたら、
T先輩が、
女の子連れてるって言っているから、
私も見たら、
ぴろちゃんじゃん!
びっくりしたわ〜!!」

私は、シラを切るべきだったのかもしれない……。
でも、全く、
そういった知恵は湧かなかった。

T先輩とのデートは、
半分夢見心地で、
現実感が足りなくて、
言われてみれば、
デートしちゃったんだっけ?
という感覚だった。

「ぴろ、ドコまで行った?」

Hくんたちが聞いた。

「え?
街中にお買い物に……。」

「お買い物じゃなくて、
何をヤったんだって聞いてるんだよ?」

同級生たちの野次馬が、
私の周りに集まってきた!?

「一緒に普通にお買い物して、
帰っただけ……。」

ここで初めて、正直に話したのを後悔した!
公園の事だけ、
伏せなくちゃと、
口をつぐんだ。

チャイムが鳴り、
皆に阻まれて、
私は階段を進めない……。
アイドルが、交際疑惑と、
芸能記者に囲まれている様子みたい!?

「何だよ〜、
何もねぇ〜わけねーだろ?」

「そうよ〜、
先輩とデートでしょ?」
「キスとかしたんじゃん?」

「こら!!
何やってる!」

先生の声がした!

皆、蜘蛛の子散らすように、
教室に戻り始めた!

「ぴろちゃん、
大丈夫?」

クラスメートで、
仲良くなったMちゃんと、
隣のクラスだけど、
仲良しのEちゃんが、
心配そうに、
私を迎えてくれた。

私は涙があふれてきていた。

「鞄持とうか?
1組の先生来ちゃっているし、
顔洗いなよ!」

Eちゃんに促され、
私は顔を洗った。

「ほら、そこ!!」

「すみません!
今行きます!」

うちらの担任の先生が、
階段を上がってきた。

Eちゃんが、
Mちゃんに鞄を渡し、
うちらは遅れて席に着いた。