《瀬戸 庵 side》




「もう、庵と会わない」




目の前にいる彼女は、確かにそう言った。



きちんと俺の目を見て。



言ってる意味が分からなくて頭でもう一度繰り返す。


もう庵と会わない


もう俺と会わない


会わない




やっぱり意味が、わからない。


今日すごい楽しかったんだ。



なのに、いきなり会わない だなんて。



俺の気持ちに気づいた上で、俺を拒絶しているのか?




ふられたのか。



やっと、信じられる人ができたと思ったのに。



言葉が、出ない。



けど、由依に問いたい。何があったんだ



「どう、いう、こと?」



「...言葉通りの意味だよ」


大きな目の奥に俺がうっすら写っている



そこからでも分かる程俺は動揺している。