「ねぇ、本当にするの?こんなこと。」
「なーに言ってんだよ、今更。
ゆぅがやることは西田に比べたら全然ゆるいほうだ」
行ってこい──と雄大に背中を、違う意味で押され私は教室へ入った。
「うわっ、また来たの。」
「いつになったら不登校なるかなー笑」
「それ賭けるー!?笑笑」
一瞬静まったあと、かおりを取り巻く女子たちが大声で話し出す。
いいの、こんなこと。
いつものこと。
雄大に告げたあの日から更に3週間経っていた。
つまりイジメが始まって1ヶ月と少し。
そして今日は私がかおりに復讐をする日───。
私は誰にもバレないように静かに唇を噛んだ。