教室


授業が終わり
教科書をカバンに入れる潤平

洋介の席で話しているタクミと夏美

タクミ『潤平~!
    今から洋介と牧田と飲みに行くけど
    お前も行く?』

潤平『あ、うん』

潤平の方を見る夏美
何かを企んでいるようだ

そんな夏美の様子に気づかない潤平

――――――――――

居酒屋


タクミ『へ~牧田ここでバイトしてんだ?』

夏美『うん、週5日働いてるよ』

タクミ『週5日間も!?働くね~』

夏美『一人暮らしは何かとお金かかるから…』

洋介『そっか、今一人暮らししてるんだっけ?』

夏美『うん』

みんなの会話を聞きながら
ビールを飲んでいる潤平

そんな潤平を見て夏美が言う

夏美『ウチ、潤平くんの家の近くなんだよ』

潤平『そーなの?どこらへん?』

夏美『光が丘公園の近く』

その言葉に驚くみんな


タクミ『潤平ん家からめっちゃ近いじゃん!
    へー意外な共通点!』

タクミの言葉に笑う夏美


夏美『あ、そうだ
   先週の日曜日、道で潤平くん見かけたんだよ
   
   潤平くん、女の人と一緒だったよね?』


夏美の言葉に、一瞬止まる3人


タクミ『え…潤平彼女出来たの!?』

潤平『あ…いや』


ビールを手に持ったまま、固まる潤平

そんな潤平を横目で見る夏美


タクミ『なんだよー潤平
    彼女出来たんなら言えよなー』

内緒にされていたことがショックそうなタクミ

夏美『彼女、どんな人なんですか?
   なんか落ち着いた感じの女性でしたけど』

タクミ『なになに?年上の彼女?』

夏美とタクミの質問に
言葉がつまる潤平


そんな様子を見ていた洋介が口を開く

洋介『それ、潤平の姉ちゃんだろ?』

潤平『…え』

洋介の言葉に驚く潤平


洋介『潤平の姉ちゃん、週末帰ってきてたんだろ?』

潤平『あ…あぁ』

タクミ『なんだよ、姉ちゃんかよ!紛らわしいわ!』

洋介『潤平ん家の姉ちゃん美人だから
   牧田が勘違いしたんだろ』

牧田『そんなんじゃ…』

ムッとする牧田

タクミ『確かに!潤平ん家の姉ちゃんキレイだもんなー』


ホッとした様子の潤平

そんな潤平をよそに
ビールを注文する洋介

洋介に話をはぐらかされて
夏美は、悔しそうな表情をする

――――――――

学校


仕事が終わり
はるかが校舎を出る

そんなはるかを
校門の外で待っている潤平


はるか『望月くん…』


はるかに気付く潤平

潤平『おつかれさま』

壁から体をおこし、笑顔で言う潤平


はるか『ずっと待ってたの?』

潤平『うん、こうでもしないと
   二人きりになれないでしょ』

潤平の言葉に、照れるはるか

その表情を隠すように
マフラーに顔をうずめる


潤平『本当はご飯でも誘いたいところだけど…
   家で先生のことを待ってる人がいるしね
   
   だから
   駅までの帰り道だけでもって思って』


嬉しそうなはるかの顔を見て
微笑む潤平

――――――――

駅までの帰り道


歩くはるかと自転車を引く潤平

その途中

露店で売っている
中華まんの香りに惹かれ
立ち止まる潤平

1つずつ違う味の中華まんを買う二人


湯気が立っている中華まんを
美味しそうに食べる、はるかと潤平

はるか『こっちの味も食べる?』

潤平『うん』

両手がふさがっている潤平に
自分のを食べさせてあげるはるか

楽しそうな二人


周りから見たら
カップルにしか見えない

――――――――

駅につく二人


潤平『先生、週末どっか出かけない?』

はるか『…え?』

潤平『悠人と3人でさ、どっか遊びに行こうよ』

はるか『…うん』


はるかの返事に、嬉しそうな潤平


潤平『じゃあ、悠人にどこ行きたいか聞いといて!』

はるか『うん、わかった』


潤平『じゃ、また明日学校で』

はるか『また明日ね』

手を振って別れる二人


階段を降りるはるかの背中を見送り

潤平が自転車に乗って家に帰る