「え、何してんの?」
後ろから聞こえた声に振り向く。
見慣れた顔。
「なーんや。」
「何やとは何やお前。」
「お前とは何やお前。」
「ええからもう。何しててん。」
「ピアス。落としてんこの辺で。やけどもう見つからんしええわ〜」
「ほんま鈍臭いなお前」
「うるさいわ!あんたかてリレー遅いやん笑」
「うるっさい!今関係ないやろ!そういう事ちゃうねん鈍臭いっちゅうんは!」
「ちゃうことないわ!言い逃れすな!一緒や!この女走り!!!」
「………。」
あ。
やばい。
あかんやつや。
言い過ぎた。
これはあかん。
「なっ…なーんちゃって〜……」
「………おうアホ女ツラ貸せ。しばき倒したんねん!ボケカスー!」
「ぎゃーー!ごめんごめんごめん!言い過ぎたー!!!ぎゃっ!」
「ハッハッハ。身柄確保。おいこら、女走りは2度と言わんてこの前言うたよな?約束したよなー?ニコッ」
羽交い締めにされながら言い訳を並べる。
「スミマセン、ついうっかり!もう二度と言いません!ほんまです!」
「…ジュース奢れ」
「なんでや」
「何でやあらへん慰謝料や」
「それならアホ女言われてんねんで!慰謝料払えや」
「ほんまのことやん笑 」
「腹立つ!もう知らん!」
俺の手を振りほどき歩き出す。
こいつはすぐ怒る。
「待てって。ほれ、慰謝料やるわ」
「え?」
大好きなやつが俺に振り向く。
大好きなやつの掌でキラキラ光る私のピアス。
「え!ありがとう!いつの間に探してくれたん!え!だって今会って…え!ほんまにありがとう!」
素直にありがとうと言うところ、
困ってる時に必ず助けてくれるところ、
((………ほんま好き…))
.