『触らせてあげることはできないけど、好きな曲を弾いてあげるから勘弁してな?』


『本当?!じゃあ、最初は……』


キャアキャア!!




へ~!珍しいな。


あの高橋くんが断るなんて!


特に女の子には人一倍気を遣う人なのに。



私はこの時、妙な違和感を彼に対して憶えたのだった。







「……………。」


「葉月さん……?」


「……………。」


「葉月さん、どうかした……?」


「へ!?い、いえ!べつに……。」



いけない!


ぼぉ~っと考えこんじゃってた!!



私は気をとりなおすと、再びギターに目を向けた。


「そ、それしてもこのギターの色、綺麗だね!なんだか琥珀色みたい。」


「……………。」


「私、楽器って全然弾けないから高橋くんが羨ましいな…。いつ頃から習い始めたの?」


「……………。」


今度は高橋くんが急に黙りこんでしまった!