高校最後の冬――…
夕暮れの空き教室
人気者でムードメーカーな貴方と
地味で目立たない私
貴方が奏でる綺麗で静かな音色
思い出せない名曲
茶色の髪
細長いけど力強い指と手
体の線
思わず見とれてしまう
ふいうちのことに胸が苦しくなる
私とは関係ないはずなのに……
どうして? こんなにも
私の脳裏に焼き付く悲しい記憶
三年間がもうすぐ終わる――…
ふと聞こえた音色
夕暮れの空き教室
貴方が奏でたラブソング
あの日と同じ夕陽の中
思い出した名曲
片想いの卒業式
一足早い二人の入学式が始まった――
* Image Poem *
星川由良 様