そんな誠哉をみて、ゆかりんと笑い合う
「はい、ぼっしゅー!」
「えぇぇえ!!!」
「じゃ、頑張れ誠哉〜」
取り上げたノートを手にゆかりんと一緒にそれぞれ席に腰掛けると
それを見計らっていたかのように授業担当の先生がトントン拍子に授業を進めていく
呪文のように声に出される数式たちが右耳から左耳へと通り抜けて行く
授業なんて身に入らないよっ・・・
感情入っちゃって先輩の力になりたいって勢いで家庭教師受けちゃったけど
今更、不安になってきたっ
成績は高校に入ってガタ落ち。
中3の時は高校に入りたいから頑張ってただけだし
そんな私が家庭教師?
いくらノーマネーでお手伝いとはいえ、その子の人生が左右されてしまうんだし・・・
わぁぁぁ、重大責任だよこれ!!!
あまりにも私が役立たずであれば、沙織先輩に言って他の人に頼ってもらおうっ
午後の授業は"弟くんの家庭教師"ということで頭が一杯で、あっという間に過ぎ去った