間宮 菖蒲(Mamiya Ayame)、これが私の名前。

高級和菓子店【間宮和菓子】の三女。


菊乃と椿という2人の姉がいる。

2人とも綺麗で自慢のお姉ちゃん。


だけど少しだけ憎らしい2人でもある。


2人とも、私のことを振り返ってばかりいるから。


「菖蒲まだー?」


痺れを切らしたチームメイトの声にハッとしてボールをサービスラインすれすれに打ち込む。


白い粉がパッと散る。


「菖蒲のファースト、なんでそんな回転かかんのよー!!」


何で、と言われましても。
笑顔を返し、私はまた列に並んだ。